棲み分ける。 | BREST Weblog / by Shuichi Miya
BLOG by Members
1211

鰯料理に専門特化している「鰯組」。

鰯というコアな分野に特化したことに勝機があるように感じる。

口コミがしやすいこと、

料理にこだわりがあること、

接客のクオリティが高いこと、などで、

人気店になっている。ブレのない経営が伺える。

この場合、「地域」「業界」において、棲み分けを行っている。

しかし、専門特化することは勇気がいる。

金沢市内でも専門特化することに弱気になり「コア商品」で勝負しきれず、

「+で」流行りものを取り入れ、逆に「−に」なっている店も目にする。

その流行りが過ぎれば置いてけぼりになっている。

「棲み分ける」という意味は、こうある

生活様式のほぼ等しい異種の生物群が、生活空間や生活時間・時期を分け、

競争を回避しながら共存する現象。ヤマメが下流に、イワナが上流にすむ。

銀行と消費者金融、トラック輸送と鉄道輸送と海上輸送のように

競合関係にある業界が、それぞれの特色を生かすことで共存している状態。

類似したものがうまく共存すること。

ビジネスの流れにおいても、

例えば、

2〜3年前に注目を浴びたPR事業は、

グッと右肩上がりの時期もあった。

しかし、

いまでは、IR情報を見ると、それだけで売上を確保してきた企業は、

寂しい結果になってしまっている。

これだけ流れが速い時代には、企業が一つの事業で特化する場合、

レーベルを棲み分けると良いと思う。

例えば、

TOYOTAがレクサスとパッソを

同じイメージのサイトとパンフレットで販売した場合、

イメージが混同され、それぞれの良さを打ち消してしまう。

また、ターゲットや、ニーズもボヤケてしまう。

一方が軌道に乗らなかったら、

もう一方へもダメージを与える。

ただし、車の種類ごとに別会社を作るまでもなく、

ブランドの棲み分けさえしっかりしておけば良いと思う。

お菓子メーカーが新商品のお菓子で失敗しても、

全体の企業イメージが崩れないように、別ブランドを作る。

飲食店や物販などは、具体的に目に見え、わかりやすいが、

企業のサービスも同様で、

新サービスには、企画からネーミング、サイト、接遇に至るまで、

棲み分けて扱えば、企業はヘッジされる。

PAGE TOP