鰯料理に専門特化している「鰯組」。
鰯というコアな分野に特化したことに勝機があるように感じる。
口コミがしやすいこと、
料理にこだわりがあること、
接客のクオリティが高いこと、などで、
人気店になっている。ブレのない経営が伺える。
この場合、「地域」「業界」において、棲み分けを行っている。
しかし、専門特化することは勇気がいる。
金沢市内でも専門特化することに弱気になり「コア商品」で勝負しきれず、
「+で」流行りものを取り入れ、逆に「−に」なっている店も目にする。
その流行りが過ぎれば置いてけぼりになっている。
「棲み分ける」という意味は、こうある
1 生活様式のほぼ等しい異種の生物群が、生活空間や生活時間・時期を分け、
競争を回避しながら共存する現象。ヤマメが下流に、イワナが上流にすむ。
2 銀行と消費者金融、トラック輸送と鉄道輸送と海上輸送のように
競合関係にある業界が、それぞれの特色を生かすことで共存している状態。
類似したものがうまく共存すること。
ビジネスの流れにおいても、
例えば、
2〜3年前に注目を浴びたPR事業は、
グッと右肩上がりの時期もあった。
しかし、
いまでは、IR情報を見ると、それだけで売上を確保してきた企業は、
寂しい結果になってしまっている。
これだけ流れが速い時代には、企業が一つの事業で特化する場合、
レーベルを棲み分けると良いと思う。
例えば、
TOYOTAがレクサスとパッソを
同じイメージのサイトとパンフレットで販売した場合、
イメージが混同され、それぞれの良さを打ち消してしまう。
また、ターゲットや、ニーズもボヤケてしまう。
一方が軌道に乗らなかったら、
もう一方へもダメージを与える。
ただし、車の種類ごとに別会社を作るまでもなく、
ブランドの棲み分けさえしっかりしておけば良いと思う。
お菓子メーカーが新商品のお菓子で失敗しても、
全体の企業イメージが崩れないように、別ブランドを作る。
飲食店や物販などは、具体的に目に見え、わかりやすいが、
企業のサービスも同様で、
新サービスには、企画からネーミング、サイト、接遇に至るまで、
棲み分けて扱えば、企業はヘッジされる。