こんな話を最近よくお客さんとする。
大人数の人を笑わせ、場を盛り上げるのが得意な人がいる。
自分がその人に憧れて努力したところで、結局、
もって生まれたそれが得意な人には勝てないし、なれない。
けれど、
その人にはない、自分にしかない”らしさ”は、どこかにあるはずだから、
その”らしさ”に気づいて、フォーカスし、うまく表現できるかどうかじゃないか。
周りとの比較や勝負で、自らを位置づけて時を過ごしてしまうほど
勿体無いことはない。
人も企業も同じで、その”らしさ”に気づいて徹底している人や企業はどんどん魅力が出る。
そして、なぜか近寄りたくなるオーラを纏っていく。
「コンセプトを考える」、「戦略を立てる」。
時として、外的要素を用いて何かを付け加えようとしている。
しかし、
本来はその逆で、そぎ落としの作業であり、工程の中で、
”何をしないか”を決めなければいけない。
新規事業だといって、新しい何かを他人の森に探しに行くのではなく、
自分ちの畑に、その足元に、”種” が土をかぶって埋もれていることに気づきたい。
それが、靴の底で踏んでいて見えないだけかもしれないから。
「何かをする」ことより「何かをしない」ほうが勇気がいる。
「何かをしない」と決めない限り、群衆の中に埋もれてしまい、
魅力が出るどころか、存在さえしないも同然となる。
他人の何かを自らに加えようとしたところで、
魅力(惹きつけられるもの)は生まれない。
今、目の前にあること、すでに持っているものに集中する中から
未来は開けていくのだろう。
p.s.
もうビアガーデンの季節か。
夏を感じさせるこの時期の夕方、風の匂いが好き。
Photo by 2012.08.28 Praha