顰蹙 | BREST Weblog / by Shuichi Miya
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0709

独立した時は、経験も実績も事務所規模も人も金も何一つなかった。

あるのは、”俺はいける”、”俺がいけなくて誰がいける”

という根拠のない自信だけ。

周りから見れば、何にもない僕を疑いの目で見たり、

しょぼい事業だと思われたり…、そんなことは人に会う度、

直接言葉で言われなくても、雰囲気や言葉のニュアンスで敏感に感じた。

自分に引け目があったのかもしれないけど、やはりそれはあった。

 

逆に、何もない僕の可能性を信じて応援してくれたり、

仕事を任してくれる方々もいた。

その一つ一つが勝負で、ひとつでも大したことないと思われればそれで終了。

先はない。

 

”自分は人とは違う”と言い聞かせなければ、やっていけない心理状況にあった。

”人と同じだ”という尺度で考えていれば、おかしくなる。

 

それが月日が経過してくると、自分では何ら今も当時も変わらないと思っていても、

自然と変わっていたりする。

知らないうちに一つの行動に周りを気にしてみたり、

今ここでアクションをおこさなければ次はないと思っていても、

顰蹙を買うのではないかと心配してみたり、

発想が無難になったりしているかもしれないとふと感じる。

 

「顰蹙は金を出してでも買え」という言葉は、見城徹さんのエッセイ帯コピー。

 

普通にしていれば、顰蹙を買うことはない。

けれど、同時に次のステージも未来もない。

 

ということを心に留めておきたい。

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