掃除機を革新する「ダイソン」のブランドに対する考え方、
人員構成に対する考え方、ものづくりに対する考え方に共感。
以下引用。
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「ダイソン」という名前は、今や一つの力のあるブランドになっている。それでも、「ブランドには興味がない」とダイソンさん自身は言う。
「ある企業が消費者にどう評価されるかということは、その企業が最後に出した商品がすべて。ブランドなどは関係ない」
ダイソン社の組織上の人員構成で画期的なのは、「デザイナー」と「エンジニア」の区別がないこと。敢えて言えば、全員が「エンジニア」。「サイクロン」の発売まで、5500ものプロトタイプを作ったというダイソンさん自身をはじめとして、みんなが社内で常に何らかの技術に取り組み、実験を続けている。
英国の教育課程では、エンジニアが同時にデザインの視点を持つことが伝統になっているとダイソンさん。そのことが、ダイソン社のような人員構成を組み立てるうえで有利だという。日本ではエンジニアはデザインに疎く、デザイナーは技術に詳しくない。専門性の分離が、イノベーションを妨げている。
大切なのは、いつまでも現場に居続けること。ダイソン社の組織はフラットで、どんな役職の人も居室はなく、みんなが同じ大部屋で仕事をしている。
「手を動かす」、そのような日常の姿勢が、思わぬセレンディピティ(偶然の幸運)につながる。「エア・マルチプライアー」は、全く別の技術の開発中に、偶然空気を増幅できることを発見したのがきっかけだと聞く。
小手先のデザインで誤魔化そうとするのではなく、まさに技術のど真ん中で勝負する。これこそ、日本企業が本当は得意としていたことではなかったか。グローバル化の中でも、浮足立つことはない。伝統の精神を貫けば、コモディティー化が進んだと思われるような商品分野でも、付加価値を生み出すイノベーションは可能なはずだ。
ダイソンさんが強調していたのは、日本の製造業が置かれている有利な状況。英国ではほとんど消滅してしまった部品などのサプライ・チェーンが、日本ではまだまだ健在なのは大変な「プラス」だとダイソンさんは言う。
実際、従来型の掃除機のモデルに固執する英国企業に拒まれ、実機を売り出せないでいたダイソンさんを助けたのは、日本。日本の会社がライセンス生産を始めたことが、ダイソンの掃除機が世に出るきっかけとなったのである。
日本には、おそらくすべてがある。ないのは、ほんの少しの勇気だけ。技術とデザインを結びつける、地道で生真面目な努力が、日本の製造業を復活させる。
ダイソンさんの職人魂に日本人は共感する。器用に振る舞う必要などないのだ。
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引用終わり。
これからますます技術とデザインという開発部分に
力を入れていけるかがカギだと思うし、
日本でも、実際営業という職業は縮小されていき、
開発寄りになっていくのだろう。
現に、エンジニアやデザイナーのみならず、
プランナーやディレクターやコンサルタントなどがいかに
クリエイティブ力が持てるかも大事で、
「顧客へ歩み寄る」から「顧客が歩み寄る」の仕組みの変化に対応している企業と
対応しない企業の差はどんどん拡がっていくと感じる。