商売の基本として「安くていいもの」というのがある。
たとえば、最近ユニクロでも森下公則とのコラボでアイテムをリリースしていたり、
ジル・サンダーのコレクションを「+J」が間もなく発売されようとしたりしている。
森下氏のユニクロアイテムにしてもユニクロのタグは一切ついておらず、
独自のブランドの価格からすると、数分の一の金額でその質感を味わうことができる。
オリジナルブランドとコラボブランドとの違い(値段の差、価値の意味づけ)を
出すことが今後難しくなるくらいのことがおきている。
人は割安感を感じた時に、購買意欲がかき立てられる。
飲食にしても、そう。
例えば、プラチナポークを使ったカツ丼が500円だったら割安感を感じる。
ただ安いからというわけではなく、3万円の懐石料理が一見すると高いと感じても、
その使われてる素材や調理方法、伝統や飲食空間を聞いたり感じたりすると
安いと感じることもある。
トヨタのレクサスが国内では高級ブランドとして販売されているが、
それが世界基準でみると、それだけの創りと質感で1,000万円でも
他メーカーのそれと比べると割安感を感じることと同じ。
要は、その値段だけみて安いとか高いとではなく、
他と比べてみてどうかという問題になってくる。
洋服や飲食や車、住宅などは、比較対象が実生活の中であるのに対して、
デザインやアート、ソフトウェアコンテンツなどにおいては、
その比較対象が同様でないため、価値判断が難しくなってくる。
そのため、伝える方法が重要になってくる。
なぜ、その値段なのか、どういう工程を経ているのか、制作にかかるコストはどうなのか。
これからは、商品やサービスを外に向かって伝える「伝え方」が経営を左右すると思う。
当然、モノが良いということが前提で。