あらゆるモノで溢れている。
安いものから高いものまで、
欲しいものから、それに似ているものまで、
選択肢の自由は多い。
その中で、何を基準に「それを買おう」と思うのか。
性能やデザインや価格などの条件を前提として、
結局は、
「モノ」の背景にある”世界観”で買っているのではないか。
だから、作り手の想いを打ち出したり、
ストーリーづくりが大事だと言われたり、
お店づくりにお金をかけたりする。
「その商売、
モノを売ろうとしているのか、
世界観を伝えようとしているのか」を問うと、
見え方が変わってくる。
テイストや考え方やセンスや感覚が自分と合うから、
その会社がつくるもの、出すものだったら間違いないと。
なんなら、世界観が合うブランドだったら、
モノの性能やデザインを目にしなくても、手にしなくても
予約が入り、勝手に売れていく。
だから”世界観”をつくれるか、いかに伝えられるかが、
売れるか売れないか、買ってもらえるか買ってもらえないかの
分岐のキーになってくるんだろう。
例えば、イタリアのバイクメーカー「DUCATI」が、
2015年型「DUCATI Scrambler」を発売したが、
その”世界観”を伝えるために、イメージ映像やイベントなど、
様々なプロモーションを行っている。
世界観に影響されやすい僕は、
二輪免許を持っていないのに、Scramblerがほしいがために、
免許センターに行こうか → そして、バイクに乗って山に行く
そんな妄想思考になったりする(笑)
それは、さておき、
資金力ある会社やブランドでもそれだけ、世界観を知ってもらうために
あらゆる努力をしている。
ただ、同じことを小さな会社がやろうとしても上手くいかない。
だから、向こうからきてもらえるような、ネタやキービジュアルなどの
フックが必要となる。それは、今の事業を深堀りしないと見つけられない。
目黒オフィス近くの「COWBOOKS」も、そんな世界観を上手く伝え、
全国から人が集まってくるお店のひとつだろう。
先日金沢の本屋でたまたま表紙が目について買った
「100の基本」という本も、偶然にもCOWBOOKS代表が書いた本だった。
そうやって、勝手に寄ってきてもらえる考え方が僕達が目指す
ブランディングの根底にある。
Photo:2011.08.02 Milano,Italy